バルブの種類

バックのテナーバス(バス)トロンボーンのFアタッチメントの切り替えバルブには、通常のロータリーバルブの他に、ハグマンバルブ、インフィニティ・アキシャルフローバルブ、オープンフローバルブ、X-Wrapバルブを採用したモデルがあります。

ロータリーバルブ

ドイツのフルードリヒ・ブリューメルが考案して以来、180年使われてきた長い伝統を持つバルブシステム。円筒形のシリンダーの軸を回転させることで管の通り道を変える仕組みです。心地良い抵抗とレガートのつながりが良いというメリットがあり、トロンボーンのFアタッチメントだけでなく、ホルンやチューバのバルブにも多く使用されています。

ハグマンバルブ

スイスのルネ・ハグマンがトロンボーンのために考案したバルブシステム。ピストンバルブのように内部を管が通る構造の円筒形の軸を回転させることで、管の通り道を切り替える仕組みです。ロータリーバルブよりも息の流れがスムーズで、セイヤーバルブよりも軽い構造なので、比較的抵抗の少ない吹奏管とヨーロッパ的な明るめの音色を得ることができます。

インフィニティ・アキシャルフローバルブ

ナチュラルホルンのボーゲンの切り替えにヒントを得て発想したもので、可能な限り管の通り道を緩やかに曲げるように工夫した構造を持っています。円錐形の軸を楽器の主管に沿って回転させることで、電車のポイントのように管の通り道を切り替えます。結果として、テナーに近い吹奏感が得られるので、抵抗感が少ないワイドなサウンドを得ることができます。

オープンフローバルブ

ロータリーバルブと基本的な構造は同じですが、ハグマンバルブやインフィニティバルブのような抜ける吹奏感が得られるようにバルブ内の通り道を真円に近づけています。永年の伝統に培われたロータリーバルブの信頼感と高音域での安定度を失うこと無く低音域の音抜けを向上させたハイブリッドモデルです。ストロークが短いため操作性にも優れています。

X-Wrapバルブ

バランス良い抵抗感・バルブセクションの理想的な息の流れを追求する多角的な研究からデザインしました。バルブの使用に関わらず均一で開放的な吹奏感を創ることが出来ます。 新設計Artisanロータリーは、ストロークがより短くなり、早いパッセージを演奏する際に有効です。